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2011年4月3日 礼拝メッセージ
枠を壊せ
(新約聖書 ヨハネの福音書 10章31〜42節)

ユダヤ人たちはイエス様を石で打ち殺そうとします。その理由を彼らは、「・・・人間でありながら、自分を神とするからです」(38節)と言いました。これは裏を返せば、神が人としてこの世に来ることはあり得ないという、神に対する枠を彼らが持っているということになります。彼らが怒っているのは、イエス様の言動のためではなく、実は、彼らの持っている枠のせいなのです。枠はすべての人がそれぞれに持っている、こうあるべき、ねばならないという基準です。夫はこうあるべき、妻はこうあるべき、神はこうあるべきといった、独自の基準です。相手云々ではなく、自分の枠のために人は苦しんでいるのです。


枠が生じる理由は、私たちが人の価値を行ないで判断するからです。そして、枠がさまざまな問題を引き起こします。それは次の3つのことです。


1.神の愛を見えなくする

放蕩息子の兄は、父の身代を食いつぶして帰ってきた弟を歓迎し宴会をする父に対して怒り、つぶやきます。それは、親はこうすべきだという枠で父を見たからです。そして、彼は父の愛を見えるものではかろうとし、自分は愛されていないと思いました。父は彼にこう話しました。「お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは、全部お前のものだ。」愛は見えるものではなく、ともに生きることなのです。この話の父とはもちろん神を指し、兄は私たちです。私たちもまた神の愛を見えるものによってはかろうとし、自分の思いと違うとつぶやきますが、神は私たちを愛し、それゆえにもうすでにともに生きてくださっているのです。


2.間違った選択をする

ユダヤ人たちは、彼らの枠に入らないイエス様を拒否し、殺そうとしました。人がすべき正しい選択とは、自分を造られた神を受け入れることです。神を拒否する人は、みな神に対してこうあるべきだという枠を持っているのです。人には常識の枠もたくさんあります。


科学の枠として、何もないところからは何も生まれないという常識がありました。オックスフォード大のロジャー・ペンローズ氏は、宇宙が膨張し続けているというアインシュタインの発見を受けて、時間を戻していくと、宇宙は限りなく小さくなり、なくなっていく、つまり、何もないところから宇宙が生じたということを証明しました。


一つ一つ見ていくと、私たちの持つ枠は、どれも根拠のないものであり、そのために真実を見ることができないでいるのです。


3.自分を追い込む

本来、枠は自分を守るため(自分を良く見せるため)に取りいれたものでした。しかし、行いによって自分を見ると、罪を隠さねばならず、良く見られるよう演じるようになり、どんどんつらくなっていくのです。


私たちを苦しめる枠を壊すために必要なのは、信仰です。神のことばを信じることで、枠から解放されます。イエス様は、「わたしの言うことが信じられなくても、わざを信用しなさい。」と言われました。神のなされたみわざ、クリスチャンである方は、自分が救われたのが自分の努力ではなく、神の一方的なあわれみであることを思い起こしましょう。


また、客観的に人類の歴史を見ても、神のみわざは明らかです。地球上でもっとも多くの人がキリスト教を信じ、聖書の教えをもとに国や団体がつくられ、多くの良い影響を与えてきました。アメリカの雑誌ライフが有識者300人に対し、過去1000年で最も人類に影響を与えた出来事を聞いたアンケートで、1位に選ばれたのは、1455年にグーテンベルグが世界で初めて聖書を印刷したことでした。これをきっかけに聖書が広く読まれることになったことが、最も人類に影響を及ぼしたというのです。


私たちが枠から解放されること、それは、イエス・キリストを救い主と信じることから始まります。神は私たちを愛しておられます。あなたは高価で尊いと言われます。そのことを信じられずに人から愛されようとして、私たちは枠を築き、うわべを取り繕ってきました。しかし、私たちの価値は、うわべにあるのではなく、神が造られたいのちに価値があるのです。イエス様を信じ、神のことばを受け入れていきましょう。私たちを苦しめていた枠が壊されてゆきます。